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立秋はいつからいつまで?二十四節気で知る日本の季節感

雑学

立秋はいつですか」という疑問は、年ごとに日にちが少し動くこと、そして「立秋」という言葉が一日だけの名称でもあり、同時に約半月つづく節気の名前でもあることが混乱のもとになりがちです。

本記事では、初心者の方にもわかりやすいように、立秋の意味・期間・由来から、暮らしに役立つ挨拶マナー、食と行事、楽しみ方までをやさしく丁寧に解説します。季節の節目を正しく知ると、言葉づかいや贈り物選び、家しごとの段取りまで気持ちよく整います。

読み終えたころには、「立秋」ということばを、暦の知識としてだけでなく、毎日の小さな実践に活かせるようになります。

立秋はいつからいつまで?

立秋とは?簡単に解説

立秋(りっしゅう)は、二十四節気のひとつで、暦のうえで秋のはじまりを告げる節目です。実際の体感はまだ暑い時季ですが、立秋を境に表現やしきたりが変わるのが特徴です。

たとえば、立秋を過ぎると「暑中見舞い」は終わり、挨拶状は残暑見舞いへ。「暦の上では秋」という言い方は、この立秋から始まる季節観に由来します。

なお、二十四節気は太陽の通り道である黄道上の位置(黄経)にもとづいて決まり、立秋は太陽が黄経135度に達する瞬間を指します。つまり立秋は天文学的な“瞬間”を名づけた日でもあり、その瞬間を起点に次の節気(処暑)前日までの期間名としても使われます。

「立秋」は、暦のうえで秋がスタートする合図です。ただし、気温はまだ高く、体感的には夏の延長。

ここで覚えておきたいのは、季節の捉え方には①暦の秋、②気象の秋、③暮らしの秋という三つのレイヤーがあること。立秋はこのうち①暦の秋の切り替え点にあたり、言葉づかい(挨拶文・広告コピー)、季節商品(和菓子・装いの色味)、行事運営(残暑見舞い・地域のお祭り)のスイッチを入れる役割を担います。

実務面では、会社のニュースレターや学校だより、店舗のPOPでも使える時間の節目のキーワード。難しく考えず、「朝夕の空気感がスッと軽くなる頃に、言葉と過ごし方を秋寄りに整える」と覚えておくと失敗しません。

  • ポイント1:「暦の秋」は先行、体感は追いかける——ズレがあるのが普通です。
  • ポイント2:言葉・贈り物・装いの“先取り”が好印象。重くしすぎないのがコツ。
  • ポイント3:無理に秋感を出しすぎず、朝夕中心の小さな更新から始めましょう。

立秋の日付とその期間

立秋はいつですか」という問いに対する一般的な答えは、毎年だいたい8月7日ごろ(年によって8月8日になることもあり)です。

これは地球公転の周期やうるう年の関係でわずかに前後します。ここで大事なのは、立秋には二つのとらえ方があることです。ひとつは立秋“という日”(黄経135度に達する日)で、もうひとつは立秋“の期間”

期間としての立秋は、立秋当日から次の節気「処暑(しょしょ)」の前日までの約15日間を指し、年によっておおむね8月7日ごろから8月22日ごろまでが目安になります。

「いつからいつまで?」と聞かれたら、“日”としての立秋は8月7日ごろ、“期間”としてはその日から処暑の前日までと覚えておくと安心です。

立秋は毎年ほぼ同じ時期ですが、年回りで1日前後することがあります

このズレは、地球の公転周期の端数やうるう年の取り扱い、さらにはその瞬間が日本時間で何日に当たるかの差によって生じます。

実務では、「立秋という“日”」と「立秋という“期間”」を分けて考えると便利。期間としての立秋は、立秋当日から次の節気の前日までの約半月で、手紙の挨拶や売り場づくり、シフトやイベント計画の切り替え目安になります。

呼び方 範囲 使いどころ
立秋(当日) 天文学的に秋のスタートに当たる1日 新聞・暦注、歳時記、年中行事の切り替え
立秋(期間) 立秋当日〜次の節気の前日(約15日) 挨拶文、販促計画、生活リズムの調整
  • 迷ったときの判断フロー:「書面のルール」→当日基準/「暮らしの運用」→期間基準/「贈り物・ご挨拶」→期間基準+相手の住む地域の気候を優先。
  • マナーのヒント:残暑見舞いは立秋以降〜8月末を目安に。長引く暑さの年は9月初旬の便りも丁寧です。

立秋の意味と由来

立秋の「立」は「はじまり」を意味します。古代中国で整えられた太陰太陽暦の知恵が日本に伝わり、季節の移ろいをより細やかに把握するために二十四節気が使われてきました。

現代日本の生活では西暦やカレンダーが主役ですが、季節商品やしきたり、和の言語表現には二十四節気の名残が色濃く生きています。

立秋は、夏のピークを折り返し、秋に向けて気配が動きだす折目。朝夕の風にふっと涼しさを感じたり、空の色が深くなったり、虫の声が目立ち始めたり――そんな小さな徴候を「秋の気配」と呼びならわしてきました。

「立」は“はじまり”の意。立春・立夏・立秋・立冬の四立は、古代中国の暦思想から伝わり、日本では農耕や年中行事の実務カレンダーとして磨かれてきました。

歴史的には、陰陽寮の時代に暦が作成され、江戸期には暦改定が行われ、明治に西暦へ移行しても、季節の言葉としての節気文化は生活に残りました。

立秋は、農の現場では「暑さの峠越え」を意識して、収穫前の管理・台風備え・体調維持に視点が移るとき。文学の世界では俳句の秋の季語として用いられ、日常語では「秋めく」「新涼」のような言葉が行き交います。

  • 由来のエッセンス:太陽の年周運動を基準に、季節の変わり目を等間隔に刻む知恵。農事・航海・交易に不可欠でした。
  • 暮らしへの継承:時候の挨拶、贈答の表書き、衣食住の段取りに今も活用。“言葉で季節を運用する”感覚が日本らしさを作ります。
  • 気をつけたいこと:「立秋=涼しい」ではありません。体は夏仕様、心は秋仕様くらいが丁度よいバランスです。

立秋と二十四節気の関係

二十四節気は一年を24の季節の柱に分けた暦法で、さらに各節気は三つの候に細分されるため、合計72の小さな季節(七十二候)としても味わえます。

立秋はそのうちの一つで、直前の節気は「大暑」、直後は「処暑」。暑さの盛りを示す大暑のあとに、季節の向きが秋へと切り替わるのが立秋であり、そこから「暑さが落ち着く目安」を示す処暑へとつながっていきます。季節は段階的に移るという感覚を、二十四節気はやさしく教えてくれます。

二十四節気は一年を24のピースに分ける考え方。秋のシーズンは6つの節気で構成され、段階的に“秋らしさ”が深まります。立秋は、その秋ブロックの入口。直前の「大暑」で暑さが極まり、立秋で向きが変わり、「処暑」で暑さが鎮まりはじめ、「白露」で露が見え、「秋分」で昼夜が並び、「寒露」「霜降」で冷えと乾きが進みます。暦はグラデーションの設計図。衣食住の微調整に使うと、体調も気分も整います。

秋の節気 目安 暮らしの合図
立秋 8月上旬 挨拶は残暑へ/朝夕の時間帯を活用
処暑 8月下旬 台風備え/寝具を軽く調整
白露 9月上旬 夜の冷え対策/温かい飲み物を追加
秋分 9月下旬 昼夜バランス/行事と家事の配分見直し
寒露 10月上旬 湿度低下対策/スキンケアと加湿
霜降 10月下旬 防寒の準備/衣替えを完了
  • 使い方のコツ:節気を「家事・仕事の締切」に見立てると、先回りの行動が身につきます。
  • 言葉の運用:社内広報やSNSの見出しに節気名を添えると、季節感の演出が一段アップ。

立秋の季節感

日本の秋の文化と風習

立秋以降、日本の暮らしは言葉づかいも含めて少しずつ秋モードに切り替わります。書き出し文や時候の挨拶では「立秋の候」「残暑の候」などが使われ、季語としての「立秋」「残暑」も俳句や短歌で息づいています。

店頭には秋色のアイテムが少しずつ増え、和菓子屋さんには栗やぶどうをあしらった上生菓子が並びはじめます。地域の盆行事や灯籠流し、精霊送りなど、夏と秋をまたぐ年中行事も増えてきます。「名残の夏」を愛でつつ、「兆しの秋」を迎える——その微妙なグラデーションこそが日本の季節感の魅力です。

立秋ののち、日本各地では“名残の夏”と“兆しの秋”が交差します。お盆や地蔵盆、灯籠流しなど夏の締めくくりが行われつつ、書状の挨拶は「残暑の候」「初秋の候」へ。

店頭には栗・芋・葡萄の意匠、衣料はアースカラーが増え、インテリアも布ものから秋色へ移行。地域差はありますが、季節はゆるやかに重なり合って進むのが特徴です。暮らし目線では、寝具を一枚足す・夜の照明を暖色に寄せる・湯船の温度を少し上げるなど、小さな“秋支度”の積み重ねが心地よさを左右します。

  • 挨拶文の例:「立秋を迎え、いっそう暑さ厳しき折、どうぞご自愛ください。」
  • 季節の手仕事:梅酢や新生姜、青柚子の仕込み/浴衣の手入れ・しまい洗い。
  • 家しごとアップデート:扇風機は弱・タイマー活用/寝室は通気+湿度管理/夜は照明を一段トーンダウン
  • 楽しみ方:夕暮れの短い外歩き、虫の声をBGMに読書、夜長に向けた趣味の準備。

秋の食べ物:立秋に食べたい旬の野菜と果物

立秋のころは、夏野菜の元気がお皿の上にまだ続きます。なす、トマト、きゅうり、とうもろこし、枝豆などは食卓の主役。ここに、ぶどう、いちじく、梨といった初秋の果実が季節の先取りとして加わります。

たとえば、焼きなすにおろし生姜とだしを効かせて冷やした一皿、枝豆は塩加減を少しだけ控えめにして豆の甘みを存分に味わう。デザートには、冷やした梨やいちじくをヨーグルトと合わせてさっぱりと。体をいたわりつつ、秋に向けて味覚をゆっくり切り替えるのがポイントです。

暑さで疲れがたまりやすい時季でもあるので、酢の物や梅、しそなどの香味を上手に使って、食欲をやさしく呼び戻しましょう。

立秋の食卓は、「涼やか」「やさしい」「香り高い」の三拍子で組み立てると体が喜びます。夏野菜の力を借りつつ、初秋の果実で季節を少しだけ先取り。胃腸を労わるために、冷やしすぎず、温度差を穏やかにするのがコツです。

買い物では、ハリとつや・香り・重みをチェック。保存は“湿らせすぎず、乾かしすぎず”の中庸が基本。香味野菜や柑橘、だしの力を借りると、塩分を抑えながら満足感が上がります。

食材 おすすめ調理 からだのうれしいポイント
なす 焼き浸し・味噌炒め・揚げびたし 油と相性◎で満足感UP/だしで塩分控えめ
とうもろこし ポタージュ・かき揚げ・バター醤油 甘みで食欲回復/冷やしすぎずにエネルギー補給
枝豆 塩ゆで・冷や奴のトッピング たんぱく質・ビタミンB群で夏の疲れ対策
いちじく 白和え・ヨーグルト・バルサミコ和え 食物繊維とやさしい甘み/デザートの置き換えに
ぶどう・梨 冷やしてそのまま・サラダ 水分と果糖でクールダウン/香りで気分転換
  • 簡単献立アイデア:焼きなすの冷やし浸し+枝豆ごはん+とうもろこしのポタージュ。デザートはいちじくヨーグルト。
  • 保存のヒント:なすは冷やしすぎNG(低温障害)。梨は乾燥を避けて野菜室へ。ぶどうは洗わず房ごと保存し、食べる直前に洗うと風味長持ち。
  • 味つけの合言葉:塩を控え、だし・酸味・香味で満足度を底上げ。

立秋から秋分までの気候の変化

立秋を過ぎても、日中は残暑が厳しい年が少なくありません。けれど、朝夕の風は次第に軽く、夜の空は澄み、雲は高くなる傾向があります。

気象学的に秋の訪れは地域差が大きいものの、暦の上では、立秋から処暑へ、さらに白露・秋分へと段階を踏みながら、体感の夏から視覚の秋へ移り変わっていきます。

台風の接近・上陸が増える季節でもあるため、天気予報のチェックと備えは忘れずに。「涼」を取り入れながら、気圧の変化にやさしく順応する過ごし方が、立秋から秋分にかけての上手なポイントです。

立秋のあともしばらくは暑さが続きますが、朝夕は湿気が軽くなり日較差(昼夜の気温差)が少しずつ拡大します。空は高く、雲は筋状やうろこ状が増え、風の肌ざわりが変わってきます。

一方で台風シーズン本番。低気圧の通過で頭痛やだるさが出やすいので、塩分・水分と休息をこまめに。紫外線は9月も油断禁物です。服装は「日中=夏、朝夕=初秋」の重ね着が快適。寝具はタオルケット+薄手ブランケットで微調整しましょう。

期間のめやす 空と気配 服装・体調管理 家しごと
立秋〜処暑 夕立・入道雲+高い雲が混在 ノースリ+薄カーデ/冷房冷え対策 扇風機掃除・非常用水の見直し
処暑〜白露 夜風が涼しい/虫の声が主役 半袖+薄長袖/就寝前の温かい飲み物 寝具を一枚プラス/防災グッズ点検
白露〜秋分 朝露・朝霧/空が澄む 長袖デビュー/のど保湿・加湿準備 衣替え前の洗い直し・防虫ケア
  • ヘルスケアのコツ:気圧変化の前日は早寝、カフェインを控えめに。耳まわりや首筋を温めるとラクです。
  • 美容メモ:汗+乾燥が同時期に来ます。日中はUVケア、夜は保湿を“ちょい増し”。

立秋に行う行事

残暑見舞い:立秋の挨拶とは?

立秋を境に、暑さを気づかう便りは「暑中見舞い」から「残暑見舞い」に切り替わります。送る時期の目安は、立秋から8月末ごろまで

ただし、近年は暑さが長引く地域も多く、9月はじめにかけて季節の配慮を込めた残暑の挨拶を送ることもあります。文面は、相手の体調をいたわるひと言と、こちらの近況報告を短く添えると上品です。たとえば「立秋とはいえ厳しい暑さがつづきます。どうぞご自愛ください」のように、暦と体感のズレを思いやる言葉がやさしく響きます。贈り物を添える場合は、冷菓や飲み物、タオルなど、相手がすぐに役立てられる軽やかな品が好印象です。

「暑中見舞い」は立秋の前まで、立秋以降は『残暑見舞い』に切り替えます。投函・送付の目安は立秋〜8月末、厳しい暑さが続く年は9月初旬までOK。ハガキ・手紙はもちろん、ビジネスではメールや季節のeギフトカードも便利です。文面は「相手を気づかう一言+自分の近況+結び」の三層に。暑さの感じ方は地域差が大きいので、受け手の住まいを意識して言葉を選ぶとより丁寧です。

  • 基本構成:①時候の挨拶(立秋・残暑の候)→②相手の健康を案じる一言→③自分の近況→④結び(健康を祈る)。
  • ビジネス例:「残暑の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。猛暑が続いておりますが、皆さまご自愛のうえお過ごしください。秋の新体制準備に励んでおります。引き続きご指導のほどお願い申し上げます。」
  • 親しい方へ:「立秋を過ぎても暑いね。夜の風がちょっと気持ちよくなってきたよ。体調に気をつけて、また涼しくなったら会おうね。」
  • NGになりがち:立秋後に「暑中見舞い」、強すぎる季語の先走り(“秋冷”など)は避ける。
宛先 おすすめ媒体 ひと工夫
取引先・上司 はがき/メール 手書きの一言を足す/件名に「残暑見舞い」を明記
友人・家族 はがき/LINE 写真1枚を添付(空・花・食)で季節感UP
遠方の年配の方 はがき 読みやすい大きめ文字/発送は早め

暑気払い:立秋に行う季節の行事

「暑気払い」は、暑さによる疲れやだるさを取りのぞく昔ながらの知恵です。立秋のころは、冷房と屋外の温度差、強い日差しによる疲労が溜まりがち。

消化にやさしい食事と適度な水分・塩分補給、ぬるめの入浴、質のよい睡眠で、体を内側から整えましょう。メニューは、冷やしすぎない温度のスープやだし茶漬け、旬の野菜を使った浅漬けや和え物などがおすすめ。

イベントとしての暑気払いは、日が傾くころの短い集まりにするのも素敵です。夕涼みの時間帯を選ぶことで、会話も食事も軽やかに楽しめます。

暑気払いは、夏の疲れ(熱・湿・冷え)をやさしくオフにする小さな養生イベント。立秋のころは夕方スタート・短時間・軽い食事が心地よく続けやすいです。

アルコールが苦手でも大丈夫。ノンアルの甘酒ソーダ・ハーブウォーター・麦茶ラテなどで十分“気分転換”になります。屋外なら西日が弱まる時間を選び、屋内なら冷房の体感温度を低めに設定し、ひざ掛けやカーディガンで微調整を。

  • プランA:おうち涼宴(90分)…だし香る冷や汁/鶏むねのレモン蒸し/枝豆+とうもろこし。最後は温かい番茶で締め。
  • プランB:夕方ピクニック…木陰で30〜60分。おにぎり+ぬか漬け+フルーツ。保冷材・虫よけ・ウェットティッシュを忘れずに。
  • プランC:オンライン短時間会…各自“涼スイーツ”持ち寄りで乾杯。20〜30分で解散し、睡眠時間を確保。
チェックリスト 理由
塩分・水分・糖分のバランス だるさ・頭痛予防に必須
温かい一品を加える 内臓を冷やしすぎない
解散時間を決める 睡眠の質を守る=翌日の元気

立秋の七十二候:秋の訪れを感じる日々

立秋の期間は七十二候で、初候「涼風至(すずかぜいたる)」次候「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」末候「蒙霧升降(ふかききりまとう)」に分かれます。

名前を声に出すだけでも詩のような響きがあり、日々の観察の手引きになります。初候では、朝夕にひんやりとした風を感じる瞬間が増えます。

次候は、ヒグラシの澄んだ鳴き声が一日の気温差を知らせてくれます。末候では、朝の霧やもやが立ちのぼり、空気の層の厚みを目で感じることができます。忙しい日こそ、ほんの一分でも外に出て、耳と鼻と肌で季節を受け取ってみてください。暮らしの密度がふっと豊かになります。

立秋期の七十二候は、涼風至(すずかぜいたる)/寒蝉鳴(ひぐらしなく)/蒙霧升降(ふかききりまとう)の三段階。名前をガイドに、五感で小さなサインを集めると毎日が豊かに。観察は「朝1分・夜1分」でOK。

風の匂い、音の遠近感、空の層の厚み、肌に触れる湿度……小さなメモを重ねるだけで、季節の輪郭がくっきりしてきます。親子やパートナーと共有すれば、会話の種にもなります。

観察ポイント 言葉のヒント おすすめ過ごし方
涼風至 朝の風が少し軽い/影がくっきり 「風がやさしいね」「空が深いね」 朝散歩5分/ベランダ深呼吸
寒蝉鳴 ヒグラシの声/夕暮れの温度変化 「日が短くなってきたね」 夕方の買い物を前倒し/湯船10分
蒙霧升降 朝もや・夜霧/街灯に光の輪 「空気がやわらかい」 温かいお茶で一息/喉の保湿
  • ミニ日記の書き方:「時間・気配・自分の体調」を一行で。例)“20:00/虫の声が近く澄む/肩こり軽い”。

立秋の楽しみ方

立秋におすすめのギフト

残暑見舞いとしての贈り物は、軽やかで実用的、かつ季節感をほんの少し先取りするのがコツです。ゼリーや水ようかん、葛きりなどの冷菓は、暑さのなかでもつるりと喉を喜ばせます。

コーヒーや紅茶のアイス用、麦茶の詰め合わせも人気。タオルやハンカチ、ボディケアのミニセットのように、相手のペースで使い切れる品も喜ばれます。

果物なら、ぶどうや梨、いちじくなど初秋の香りを届けると、ささやかな季節の贅沢を分かち合えます。大切なのは、相手の暮らしを思い描き、負担にならない量とサイズを選ぶやさしさです。

贈りものは「軽やか・実用的・季節感をほんの少し先取り」が合言葉。相手の負担にならないサイズと保管性を第一に選びます。

のし表書きは「残暑御見舞」またはビジネスなら「残暑御伺」。メッセージは短くても、相手をねぎらう一文があれば十分に温度が伝わります。迷ったら、日持ち・常温・小分けの三条件でセレクトしましょう。

相手 予算めやす おすすめ ひとことメモ
取引先 3,000〜5,000円 アイス用コーヒー・紅茶詰め合わせ/焼き菓子 個包装・常温可・配布しやすい
親しい友人 2,000〜3,000円 ゼリー・水ようかん・フルーツジュレ 家族構成に合わせて量を調整
年配の方 2,000〜4,000円 そうめん・出汁セット・タオル 塩分控えめ・軽い荷姿
子どもがいる家庭 2,000〜3,000円 果物のジュース・ドライフルーツ 保存しやすくおやつ代わりに
  • カード例文:「立秋を迎えましたが、まだ暑さが続きますね。ひと口の涼で、少しでもほっとできますように。」

立秋を楽しむための活動

立秋のキーワードは「朝夕」。日中の暑さを避けて、朝の散歩や夕暮れのひと回りを習慣にすると、風の変化や空の高さを無理なく感じ取れます。ベランダや玄関先に小ぶりの植物を置き、日々の水やりで季節の湿度と温度を素手で確かめるのも楽しい時間です。

家のなかでは、秋色のクロスを一枚足すだけで雰囲気ががらりと変わります。虫の声に耳を澄ませながら読書する夜は、扇風機の弱い風と冷たいお茶をお供に。「秋が始まった」という合図を、からだの五感で受け取る——それが立秋の上手な楽しみ方です。

合言葉は「朝夕を味方に」。日中は無理せず、涼しい時間を使って“ちいさな秋”を集めましょう。体力や予定に合わせて、無理のないメニューにするのが続くコツです。

お金をかけずにできることでも、季節感はじゅうぶん楽しめます。家では照明を暖色に、BGMは虫の声の環境音を。外では夕風散歩、図書館、近場の緑地で短時間ピクニックなど、負担の少ない選択を。

  • おうち:秋色クロスを一枚/季節の花を一輪/夜は白湯やハーブティーでクールダウン。
  • 外あそび:夕方の公園読書/神社の階段で軽い運動/夜空の月を観察(写真1枚を季節アルバムに)。
  • 学び:二十四節気のメモ帳づくり/季語しおり作成/季節の料理を1品マスター。
  • 美容・健康:入浴10分+ストレッチ5分/足首・お腹を冷やさない/睡眠のゴールデンタイムを意識。
7日間ミニ計画 やること
Day1 ベランダで朝1分深呼吸/空の写真
Day2 夕方散歩10分/虫の声チェック
Day3 夜は照明を一段落として読書15分
Day4 冷やしすぎない“涼スープ”を作る
Day5 お気に入りのタオルを新調
Day6 七十二候のメモを1行書く
Day7 温かいお茶で一週間を振り返り
  • 安全メモ:夕暮れ外出は反射材・明るい色の服を。台風前後は無理をしない——これも“季節を味方に”するコツです。

立秋をテーマにした料理

献立は「涼しく、でも冷やしすぎない」が合言葉。焼きなすの冷やし浸しは、だしの旨みと香味野菜で体をいたわる一皿です。

とうもろこしはすりつぶしてポタージュにすると、胃腸にやさしく栄養もしっかり。枝豆は茹で上がりをうちわで冷ますと、香りが逃げにくくなります。

デザートには、よく冷やした梨やぶどうを少量ずつ。食卓に季節の言葉を添えるなら、「立秋の候、名残の夏をいかがお過ごしですか」と家族に声をかけるのも素敵です。食べることは日々の儀式。ひと皿に気持ちを込めることで、暦の節目は生きた時間になります。

立秋の食卓は「冷やしすぎない・香りで季節を連れてくる・体をやさしく立て直す」の3つを合言葉にしましょう。まだ暑い日中は食欲が落ちがちですが、夜風が少し軽くなる頃には、温と冷のメリハリがある献立が心も体も喜びます。

だしや香味野菜、ほんの少しの酸味を上手に使うと、塩を増やさなくても満足感が出ます。味つけは“濃くしないけれど物足りなくしない”がコツ。初心者さんでも作りやすい5品セットを用意しました。買い物は「少量・色の濃い旬」を選ぶと、香りがハッキリして調理も簡単です。

料理名 下ごしらえ おいしく作るコツ
豚しゃぶの梅おろしだれ 豚肩ロース薄切りをさっと湯通し 氷水で冷やしすぎず、常温手前でタレと和える
焼きなすの生姜だし浸し 皮ごと焼いて皮をむく 温かいうちにだしへ。冷蔵前に10分置くと味しみUP
とうもろこしの味噌ミルクスープ 実をそぎ、芯も一緒に煮る 芯で甘みを出し、仕上げに牛乳+味噌少々でやさしいコク
枝豆ごはん 塩ゆでしてさやから外す 炊き上がりに混ぜ、余熱で香りを閉じ込める
梨のはちみつレモン 薄切りにして軽く冷やす はちみつ+レモン汁を少量。冷やし過ぎず香りを立たせる
  • 買い物ミニリスト:豚肩薄切り/なす/とうもろこし/枝豆/梨/大葉・みょうが・生姜/だしパック/梅干し/牛乳/はちみつ・レモン
  • ワンポイント:お皿は白や硝子を使い、薬味は最後に手でちぎって香りをアップ。

立秋を深く知る

立春、立夏、立秋、立冬の違い

四立(しりゅう)と呼ばれる立春・立夏・立秋・立冬は、それぞれの季節の始点です。立春は寒さの底から春の兆しが立ちのぼる節目。

立夏は新緑が満ち、日差しの照りが増していくはじまり。立秋は暑さの頂点を越え、秋の気配へ舵を切る瞬間。そして立冬は空気が澄み、冬の静けさが歩み寄る入口です。四つの立は、季節の「方向」を示す羅針盤。この羅針盤を手にしておくと、言葉選びや衣替え、行事の準備がしぜんと整います。

四立(立春・立夏・立秋・立冬)は、季節のスタート地点を教えてくれる羅針盤。どれも「体感」と「暦」にズレがあるのが普通なので、衣食住の切り替えを少しずつ前倒しにするのがコツです。下の表を“暮らしの操作パネル”として常備しておくと、迷いが減って家事も仕事もスムーズになります。

節目 合図になる自然 衣食住の切り替え 挨拶語のヒント
立春 風の匂いが軽く、光が強まる 重ね着は薄手+首元保温/温かい甘味 「早春の候」「余寒の候」
立夏 新緑・陽射し・昼の伸び 通気の良い素材/冷茶・酸味を少量 「新緑の候」「向暑の候」
立秋 夕風・虫の声・空が高い 朝夕は羽織り/温冷のメリハリ料理 「残暑の候」「初秋の候」
立冬 空気が澄み、露が冷たく 保湿と温活/根菜・発酵を増やす 「立冬の候」「向寒の候」
  • 運用ミニ術:四立の週は「洗濯槽・換気扇・冷蔵庫」のどれか1か所を深掃除して、季節の運気を入れ替え。
  • 美容メモ:立秋〜立冬は“保湿先行・日焼け止め継続”。乾燥と紫外線が同時に来ます。

立秋の読み方とおもしろい言葉

立秋の読み方は「りっしゅう」。あわせて覚えたい言葉に、「初秋(しょしゅう)」「秋めく」「新涼」「残暑」などがあります。

ビジネス文書の時候の挨拶では、「立秋の候」「新涼の候」「残暑の候」などがよく使われます。季語としての「立秋」は秋の季語、「残暑」も秋の季語。暦と文学がゆるやかにつながっていることを感じるだけで、手紙やメールの文面がぐっと上品になります。

口に出して読み、耳で響きを楽しむと、言葉が暮らしの温度に寄り添ってくれます。

読み方は「りっしゅう」。立秋の周りには、美しい響きの季節語がたくさんあります。手紙やメールに一言添えるだけで、人柄までやわらかく伝わるのが季語のいいところ。覚えやすい言葉から、少しずつレパートリーを増やしてみましょう。

言葉 よみ 意味・使い方
新涼 しんりょう 初秋のさわやかな涼しさ。「新涼の候、いかがお過ごしですか」
秋めく あきめく 秋らしくなること。「夕暮れが秋めいてきましたね」
秋暑 しゅうしょ 秋になっても続く暑さ。残暑を上品に言い換え
秋霖 しゅうりん 秋の長雨。「秋霖の折、くれぐれもご自愛ください」
八月尽 はちがつじん 八月の終わり。「八月尽、どうぞお身体ねぎらって」
  • ビジネス向け例:「新涼の候、平素よりお引き立てありがとうございます。季節の変わり目につき、皆さまご自愛のほどお願い申し上げます。」
  • 親しい方へ:「夕風が少し秋めいてきたね。体を冷やしすぎないように、温かい飲み物で一息ついてね。」

毎年の立秋の時期とその影響

立秋の時期は年によって一日ほど前後しますが、8月7日前後という目安を押さえておけば十分です。

マーケットの世界では、この頃から秋物の展開が始まり、広告や売り場の色合いが変わります。ビジネス文書では挨拶表現が切り替わり、暮らしでは贈り物の表書きが「暑中御見舞」から「残暑御見舞」へ。

学校や地域によっては夏休みの後半戦に入り、生活リズムの整え直しが求められます。「まだ暑いけれど、秋に向けて準備を始める」。その意識の切り替えを支えてくれるのが立秋です。

家のなかでは、寝具を一枚足す、温かい飲み物の時間を作るなど、小さなアップデートから始めてみましょう。からだの負担を軽くしながら、季節の変化を受け入れられます。

立秋は毎年だいたい8月7日ごろ(年により8日)ですが、実生活への影響は思った以上に大きいです。挨拶状は暑中から残暑へ、売り場は秋色に、学校は夏休み後半へ、体は“暑さ+乾燥”のミックス期に入ります。無理なくスイッチするために、2週間スライドで準備すると失敗が少なくなります。

タイミング 暮らしのタスク 仕事・学び
立秋前の1週間 寝具を見直し/冷蔵庫の夏物整理 残暑見舞いの文面作成/秋案件の下準備
立秋当週 夜は温かい飲み物を1杯追加 会議は午前が捗る/夕方は短時間会に
立秋後の1週間 台風備蓄の補充/保湿ケア開始 新学期準備・スケジュール調整
  • 家計メモ:秋の始まりは“買い替え”ではなく、小物の色替えから。クッションカバーやランチョンで十分季節感が出ます。
  • 健康メモ:朝は白湯、昼は常温の水、夜は湯船10分。温冷差ストレスをやさしく中和しましょう。

補足テーマ①:残暑のセルフケアと睡眠術

立秋後は、昼は暑く夜は涼しい“温度差ストレス”で寝つきが乱れやすい時期。睡眠の質を守るコツは、「日中の熱を上手に逃がして夜に持ち込まない」ことです。

カフェインは午後は控えめに、入浴は就寝90分前にぬるめで10分。寝室は28℃前後+弱風で、首・お腹・足首だけは冷やさない意識を。枕元には常温の水を置いておくと、夜間ののど乾きをやさしくカバーできます。

お悩み 今日からできるケア
寝つけない 夕方に5〜10分の外気浴/入浴後は照明を一段落として“夜モード”へ
夜中に目が覚める 寝具を1枚足す/就寝前に白湯100ml/アロマはラベンダー等を少量
朝だるい 起床時にカーテンを開けて朝日を浴びる/肩甲骨回りを1分ストレッチ
  • 食のサポート:朝にヨーグルト+果物、夜は温かい汁物を一品。内側からのリズム作りが効きます。

補足テーマ②:台風前後の暮らしの備えチェック

台風が増えるのも立秋期の現実。怖がりすぎず、前日・当日・翌日の3段階で準備しましょう。前日はベランダの物を片づけ、スマホの予備電源を満タンに。

冷凍庫は保冷剤代わりに水を凍らせ、常温で食べられる軽食を2日分用意。窓の内側に養生テープを貼るより、カーテンを閉めて飛散対策をするほうが簡単で効果的です。

タイミング すること ポイント
前日 ベランダ片づけ/モバイル充電/水の確保 ペットボトルは常温+冷蔵+冷凍に分散
当日 カーテンを閉める/浴槽に水をはる 停電時のトイレ用にも役立つ
翌日 排水口の確認/食材の入れ替え 冷蔵庫は先に消費期限の短い物から
  • 情報整理:家族の連絡手段(電話・メッセージ・集合場所)を1枚の紙に書き、冷蔵庫に貼って共有。

補足テーマ③:子どもと楽しむ二十四節気ワーク

立秋は、親子で季節を感じる学びの入り口です。難しい知識は不要。五感で集めた小さなサインを、メモや絵、スクラップに残すだけで立派な自由研究に。

朝の空の写真、夕方の虫の声のメモ、スーパーに並ぶ旬の食材のスケッチなど、日常の中に題材はたっぷりあります。無理に「頑張る日」を作らず、1日1分の観察を積み重ねる方式なら忙しい家庭でも続けやすいですよ。

年齢の目安 活動 ねらい
年長〜低学年 空と雲の絵日記/虫の声リスト 音・色・形の気づきを言葉にする
中学年 旬の食材カード作り 味・香り・触感を表現する語彙を増やす
高学年 七十二候ミニ新聞 調べてまとめる力・写真や図の使い方
  • 準備物:ノート/色鉛筆/透明ファイル/スマホや古いデジカメ。ぜんぶ家にあるものでOKです。

まとめ:立秋を暮らしに活かす——言葉・食・こころの整え方

本記事では、「立秋はいつですか」という疑問に、“日”としての立秋は8月7日前後、期間としては処暑の前日までという基本を軸に、二十四節気の考え方、七十二候の楽しみ方、残暑見舞いのマナー、食や行事の実例までをやさしく解説しました。

立秋は、単にカレンダーの印ではなく、暮らしの呼吸を整える合図です。朝夕の風を受け取り、言葉を季節に合わせ、食卓に小さな秋を迎え入れる。それだけで、忙しい毎日の中にも静かな満足感が生まれます。

最後に、実践のヒントをもう一度。立秋を過ぎたら、挨拶は残暑見舞いへ。

献立は涼やかでやさしい味へ。部屋には秋色をひとかけ。そして、自分にも周りにも「ご自愛ください」と声をかける余裕を。季節の境目にやさしさを足すことは、心身のセルフケアそのものです。どうぞ今年の立秋を、あなたらしいリズムで味わってください。暦の知恵は、必ずあなたの暮らしを穏やかに整えてくれます。

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